世界中で問題となるオーバーツーリズム
日本で都会に住んでいたり観光地に住んでいたりすると外国人観光客を目にすることが多くなりました。日本を感じさせるような寺院や神社などでも、むしろ日本人より多いのではないか?と思われるほどです。
アフターコロナで日本も海外からのお客さんを受け入れ再開して、円安も相まって外国人観光客が大量に押し寄せているというニュースも目にします。観光地や旅行業界はまだ良いとしても住民への影響も大きくなっていて、各地でトラブルが発生しています。
政府が観光立国を目指すなどという政策もある事から、政府による観光誘致を批判する人も増えてきました。しかし、これは日本だけではなく世界中で発生しています。このオーバーツーリズムの問題を端的に挙げると次の通りです。
観光客がキャパシティーを超えて来ている
観光客によるマナー違反や迷惑行為が横行している
物価が全体的に上がり住民生活に影響を及ぼしている
これは日本だけではなくヨーロッパなどでも発生していて、フランスのように観光に力を入れている所でも大きな問題になっています。フランスは日本より遥かに多くの観光客が訪れる国です。本当の問題は何でしょうか?
ヨーロッパではオーバーツリーズム問題は、Air B&Bつまり民泊が問題であるといわれています。つまり、ホテルよりも安く手軽に長期間滞在するのに便利な民泊が増えたことで、観光客が安く長期間旅行がしやすくなった事が一番の問題とされています。
ホテルのような宿泊施設であれば、それなりの設備や従業員、さらに規制などもあり、一定レベルのクオリティーが求められていますし、料金もそれなりにかかります。
しかし、民泊であればあまっている部屋を安く貸すだけ。ネットで登録すれば空き部屋が収入源になります。泊まる側にとっても、場所はスマホの地図アプリで簡単にナビゲーションできますし、長期滞在でも安いとなれば、ホテルより気軽に使えるというわけです。
長期間滞在できれば、今まで行ったことがなかった場所にも行けますので、観光地ではない場所やマイナーでもSNSで急速に認知され、十分なキャパシティーがない所にも人が訪れるという構図が生まれています。
円安や日本の観光政策の問題ではなく、民泊とSNSの波及効果が原因だといえます。
最も政府の政策で成功するようなことはないですし、円安で国内の費用が安く感じるかもしれませんが、燃油サーチャージはうなぎ登りですから、距離のある欧米からの観光客にとっては安さで選ぶ観光地ではないはずです。
Air B&Bにしろ民泊にしろ、もうこの流れは止めることが出来ないでしょう。しかし早めに原因に気づいて対策を講じる必要があるでしょう。