回行われた総選挙で、保育園に入れない待機児童の問題について多くのメディアで取り上げられたが、新政権を奪い取った民主党が実際何を行ってくれるかはまだ未知数だ。
赤ちゃん学の一説では、働かなくてはならないママが赤ちゃんを預けるとすれば、赤ちゃんと同居の親族(父親や祖父母)に自宅でみてもらうのが一番よいらしく、その次が誰かの家、その次が保育園で小規模のものとなるそうで、アットホームな環境が最も良いとされている。
こんな話を聞くと、預けることだけを考えた保育園待機児童問題の解決策は、保育園を増やすことだけに限らないような気がしてくる。ママが側にいるのが一番、ということはどんな赤ちゃん学をもっても変わらないだろう。そのための施策が求められていることに政策を作る人間は気づくのだろうか。
さて、フランスでは小さいうちだけママが側にいる、ではなく、小学生の年齢になっても学校に通わず母親が教育を行う在宅学習の子供たちが増えている。
学校に行くのが義務ではなく、教育を受けさせることが義務。だから、自宅でママが先生をやる。そんなふうに教育を受けている子どもたちは全国で3万人程いるそうで、学業レベルに劣りはみられないという。
在宅学習を受ける理由は様々のようだが、母親がもっと子供と関わりを持ちたいという育児につきっきりのママもいて、フランスのママは働いている、というイメージとはひと味違ってくる。
先日、フランスでは幼児教育への関心が高まっているとお伝えしたばかりだ。そこでは専門の先生にできるだけ早く教育を受けさせることが大事とされており、自宅でママが教えるという考えは逆をいくように思える。
知人のカナダ人に聞くと、カナダでも在宅学習は珍しいことではないそうだ。カナダの場合、学校に通うのが遠くて大変、という環境がそうさせるらしいが、在宅学習のためのメソッドに関する情報はすぐに手に入れることができるし、そのためのコミュニティも発展しているらしい。
学校に入れる=社会勉強ができ協調性が身に付く、という考え方は昔からつきものだが、どうやら時代とともに教育手法も多種多様になっていくようだ。