きゅうりの半径は41mm以上、バナナの長さは14cm以上、ワイパーは最速でも分速45回であること。これは何のことでしょう???
実はこれはEUの基準の一部で、EU基準は現在2万5000種類もあって、「EUは規則を作りだす機械だ」と揶揄されるほどだ。勿論実用的なものもあれば、上記のような、ちょっとそこまでやらなくてもというレベルのものも定められている。
そもそもEU基準とは、EU域内の市場統合を一層進めるため、製品の安全性や品質基準を定め統一が図られたもの。EUの市場統合を進める上で物の自由な移動の障壁となるのが、加盟各国が独自に設けていた規格や基準であったからだ。製品だけではなく、環境、福祉など様々な面で規格の必要性があるとされている。
実用的でなるほど納得というものでいえば、預金の引き出しに使われる銀行のカードなど。フランス人でもドイツの銀行で預金を当たり前のようにおろせるのはEU基準があってこそだ。
また、職業面でもこのEU基準はすすめられようとしている。例えば、看護助士の資格など。まだ統一には及んでいないが、近い将来フランスで研修を受けて資格を得れば、加盟国なら看護助士として働ける、などといったことも可能になるだろう。
製品でEU基準を満たすものにはCEマークが付けられる。ただし品質を保証するものではない。CEとはフランス語「Conformite Europeenne」(欧州共同体)の略。CEマークを必要とする国は主にEU諸国であるが、ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタインなどのヨーロッパ自由貿易体を含むヨーロッパ経済体や、EU、EFTAの両方に属さないトルコでも必要となる。
当面の課題としては道路標識の色を標準化することで、またまたEU基準に加盟国の人々の生活が順応しなければならないことが増えるようだ。