産休で不足する教師たち
女性が社会に進出することで、経済的にはポジティブな点ばかりが着目されがちだが、女性が社会に出れば出るほど出産・子育てという女性特有の役割と仕事のバランスをどう保つかが大きな課題となってくる。
ましてやフランスのように、女性が働くことが当たり前であり、ワーキングマザーの地位が確立されていれば、なおさら彼女たちの社会的インパクトは大きい。
今フランスで問題となっているのは、産休中の教師をカバーするための代替教員が不足していることだ。代理の教師が見つかった例は19%程度とされ、見つかれば運が良かったということになる。
見つからない場合はどうなるか。その場合はスポット的に授業を担当できる教師が埋めていく。そのため、かわるがわる教師がやってきては授業を受け持つということになり、子供たちにとってはあまりいい影響とは言えないようだ。
この状態に不満を持つ保護者が立ち上がり教育省に訴えを起こしている。対応策としては、欠員を補充するために教員免許取得前の大学生に授業を持たせることや、もう教師を引退してしまった人材にもお声がかかり、戸惑う声も聞こえてくる。
日本でも保育園が足りず、待機児童問題がもっぱら取り上げられているが、時代時代によって女性がどれだけ子供を産むかは予測不可能。まさに神のみぞ知る、というわけで、何か不都合が起きてから、即座に対応していく行政の力がどこの国でも求められているということだろう。