ギリシャの破綻でEUが揺れている。ヨーロッパで破綻しそうな国の頭文字を合わせてPIGSと言われるが豚ですからね。ひどい言われようです。P=ポルトガル、I=アイルランド、イタリア、G=ギリシャ、S=スペイン。それ以外にもSTUPID(愚かな)と言ってギリシャ経済が破綻すると、それが引き金になって危機を迎えそうな国と言うのもある。PIGSはイギリスが言い始めたハズだが、そのイギリスがSTUPIDに含まれるというのが皮肉だ。(S=スペイン、T=トルコ、U=イギリス(UK)、P=ポルトガル、I=イタリア、D=ドバイ)
ギリシャもユーロ加盟国なので、ギリシャの破綻はユーロの問題ともなり、EUでギリシャを救おうという動きが起きている。ヨーロッパの中でも経済の良好なドイツでは、ギリシャの保有する島を売れだとか、国の危機なのにデモばっかりしてと非難している。
確かに、リーマンショック以降、国家財政も厳しく、他人の国のために、自分たちの税金を使われるのもたまったもんじゃないだろう。ギリシャはなんと1/4が公務員。当然まずはじめに、増税のほか、公務員削減、給与カットを行なわれる。これに怒ってのデモだが、これをせずにして支援は難しいだろう。
しかし、数字だけ見るとギリシャに比べて遙かにひどいのは日本。ギリシャの債務残高GDP比は121%だが、日本は174%だという。しかし日本の場合は、9割以上が国内の金融機関や個人が購入している事や日本人の個人金融資産が1400兆円あり負債を引いた純資産額1063兆円あるから863兆円の公的債務がデフォルトになる事が無いと言われている。
また、なんと国債を保有しているのが国自身で、この分を減らすと100%以下になるとも言われている。これが日本の不思議なところで、特殊法人だったり日本銀行だったりする。中央銀行がその国の長期国債を買い入れているのは日本だけで、実際法律でも日銀が国債を直接買うことは禁止されている。
どうしているかというと、日銀によれば市中から買い入れていると言うが、一度銀行に引き受けさせて、買い戻しているという感じなんだろう。一般の会社だったらまるで粉飾決算のようだ。
IMFは日本が財政破綻することを見越して、日本再生スキームを既に作成している。これによれば、公務員は30%削減、そして給与30%とボーナス全額カット、退職金全額カット、年金一律30%カットなど公務員に対しての金銭面の他、消費税20%に引き上げや預金1000万円以上はペイオフ(銀行が破綻した時と同じ)などとお金がある人も無い人も大変なことになりそうだ。
しかし、これが巷で言われるIMFやアメリカの陰謀だとしても、それほど気にする必要は無いかもしれない。何しろ日本国の借金は800兆円、ギリシャと違ってこんなにIMFが出せるわけない。ギリシャの問題は、ギリシャが破綻すると、その国債を買っている他のEU諸国が困るからで、「困るから自分たちで救ってしまおう。」という考え方。まあ、それが出来るくらいの小さい規模とも言える。
逆に言えば、日本が破綻しても、よそにあまり被害が広がらない分、救う気運が起こらないか、大きすぎて無理とも言える。