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vol.63
A n t e n n e F r a n c e
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S O M M A I R E
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L E P E T I T B O U Q U E T
1◆サイエントロジー
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L E P E T I T B O U Q U E T
2◆ミャオ
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r f i m u s i q u e
3◆INDOCHINE
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4◆Patricia KAAS
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┃1┃サイエントロジー
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「詐欺罪により懲役2年、禁固6ヶ月と、100.000フランの罰金」。マル
セイユのサイエントロジー教会裁判で、二人の元信徒に、判決が言い渡された。
1987年から1990年までに10人が告訴されたが、あえて教会に忠実な2人だけ
が、有罪となった。サイエントロジー教会の支部代表、グザビエ・ドゥラマール
は、こんどは、詐欺罪で知られる身となった。
「サイエントロジーで金儲けをするのは、逸脱行為」。被告は、すでに80年代に
そのような行為を禁じられている。心の叫びは、金儲けの実践とは、相容れない
と、リベラシオン紙は報じた。グザビエ・ドゥラマールは、ニースとマルセイユ
支部を、「帳簿に記載された精神的進歩」と、カセットと本の「手荒い販売」を
使って、「ヨーロッパの伝道拠点」にしたかった。他の4人の部下は、この裁判
で6ヶ月から1年の懲役を言い渡された。
一方、2人は、釈放された。リベラシオン紙は、「サイエントロジーにとって、
水のシャワー、冷たい攻撃を免れない。」と続け、 この『厳しい判決』を批判
しながら、この土地ではしかたない、つまり裁判は、レールの乗って進むもの
だ」と、報じた。
フィガロ紙は、「このセクトの会員が、フランスで有罪になったのは、3回目」
であることに言及し、 「傍聴席の主要な関心は、別にある」として、心理学を
用いて、心に無理矢理進入するセクトの危険性を強調している。
そして、「サイエントロジストは、学習補習センターや職安事務所でいまだに見
つかる。あの面談は、彼らのやり方だ。 彼らの熱心な勧誘は、何気ない広告
や、質問票の中に隠れている。」と、続けている。
「裁判は、彼らの能力を認めた」。 ユマニテの見出しは、司法官、及び、弁護
士と依頼人の発言を促した。「われわれは、宗教事件の弁護をしたのではなく、
詐欺事件を弁護したのだ。と依頼人の弁護士、ジャン・ミシェル・プザンティは
言う。リオネ裁判の裁判長、ロジェ・フネシュは、サイエントロジーを「犯罪を
産む組織」だと位置づけ、武装した破壊的同盟の解散を認める1936年の法律
に、「武装していなくても、社会と共和国民にとって危険となる犯罪的組織」を
加えて、手直しすることを求めている。
一方、「司法と警察は、多いに小心と受け身な態度を立証した」と、 重罪院及
び、パリ控訴院の弾劾部元裁判長、フランソワ・ピニエは、驚く。「なぜなら、
自由に関する微妙な問題だからだ。特にそこに圧力があるからなおさらだ。司法
は独立しているが、圧力団体を避けることはできない。サイエントロジーは、そ
ういう団体には、事欠かない」。
サイエントロジーによれば、アラン・ヴィヴァン 「フランスのNo.1 判事」は、
いろいろなセクトに反対する各省の活動と、新しい弾劾の提案に対抗して、12
月にはリオネール・ジョスパン首相に向けて、一人を釈放するだろうと見てい
る。
戦いは、始まったばかりだ。弾丸は、まだ共和国にある。ずっとあるといいのだ
が。
(サイエントロジーは、1953年に、アメリカのSF作家、探検家のL・ロン・
ハバードによって設立された。)
発行後サイエントロジーJapanの法務部長よりご連絡があり、上記記事は公平性が
欠けるとのことです。1999年10月5日に宗教新聞に掲載された記事を頂き
ましたので、併せてご覧下さい。(2001/4/26)
宗教新聞 平成11年10月5日
反宗教運動に火をつけたフランスの裁判 サイエントロジー
リオンにおける新しい証拠
教会に光を与えた私立法律事務所の捜査
現在、ヨーロッパの反宗教運動は、フランスにおける裁判を、新宗教を攻撃する
ための武器として利用している。日本の反宗教運動もまた、この裁判を日本で宣
伝しながら、自分たちの反宗教運動による恐怖の植付け作業を加速させている。
サイエントロジーは一九五三年にアメリカの哲学者、L・ロン・ハバードによって
設立された中級規模の宗教である。その宗教哲学は、その会員が過去の経験を想
起できるように援助し、精神的能力や知性を向上させ、そして全体的により幸福
にすることを中心に据えている。サイエントロジーの反対者は精神科医や心理学
ワーカーあるとされる。サイエントロジストは様々な宗教的背景を持っている。
そして、自分が以前に属していた、または他の信仰から遠ざかるように妨害され
ることはない。
その裁判は単純なものであるはずだった。しかし、その嫌疑を主張しようとする
計画が、一九九六年以来、百七十二個の宗教を「カルト」として狙いをつけてい
るフランスの国会委員会に対して行われてたようである。フランスはカトリック
が優勢を占める国である。
一九八八年、パトリック・ビックという名の青年がサイエントジー教会のリオ
ン・ミッションを訪れた。彼がサイエントロジー教会を知ってから、三ヶ月弱の
間、ほとんどそれにかかわることはなかった。そして、一九八八年三月二十四日
に自宅で自殺を図ったことが報道された。一九九六年の裁判で、ビック氏が同性
愛の経験や結婚問題、そしてアルコール中毒を抱えていることが判明した。ビッ
ク氏は、泥酔してミッションにきて以来、何度かサイエントロジーから離れるよ
うに要求された。ビック氏がサイエントロジーと接触したのは、ごくわずかのこ
とだった。
報道によれば、自殺の前夜、氏はサイエントロジー・ミッションの代表と会見
し、そこで氏は自分が売春婦と一緒だったことを告げ、自分の人生を変えたいこ
とを告げた。ミッションの代表は、ビック氏に夫人に本当のことを話すように勧
めた。ビック氏は、サイエントロジストが過去に摂取した薬物の毒素やアルコー
ルの悪影響を取り除くために行うサービス、ピュアリフィケーション・ランダウ
ンをやりたいとも述べた。注目すべき重要点は、氏がこのサービスに参加しな
かったことである。
ミッションの代表とビック氏はともに、ビック氏の自宅に向かい、夫人と話し合
いをした。そしてミッションの代表は帰宅した。次の日、ビック夫人から電話が
あり、ビック氏が自殺したことを伝えた。夫人はビック氏がここ数年の間、鬱
だったことを打ち明け、その事実を警察にも話した。
この当時、夫人は、ミッションに、自分の夫の自殺に関して責任を取らせようと
することはなかった。変化が起こったのは、夫人がフランスの反宗教団体である
ADFIに接近されてからのことであった。夫人は警察に訴えを起こしたが、根
拠がないために、取り下げられた。
しかし、その訴えは最近になって、ADFIが自らの抱えるスポークスマンであ
り精神科医のジーン・マリー・アブグラル博士の手による「専門家論文」を利用
することで、復活した。アブグラルの専門家論文は、ビック氏の問題について
は、ピュアリフィケーション・ランダウンの一環して使用されるビタミンに非が
あるとして責めるものであった。ビック夫人、ネリー・ビックは薬事法違反で教
会の指導者たちを告訴し、ピュアリフィケーション・ランダウンにかかわるビタ
ミンが、彼女の夫の自殺(推定)に一役買ったと主張した。法廷においては、ビッ
ク氏がビタミンを摂ったという証拠はなく、また同氏がピュアリフィケーショ
ン・ランダウンを行っていないこと、そしてそれに対する寄付さえ支払っていな
かったことが指摘された。そしてアブグラルは、公開裁判において、自分の告発
に関して「行き過ぎがあった」ことを認めた。とするなら、最初からこの件は裁
判にならなかったのではないだろうか。
アブグラルについて有名なのは、その過激な視点であり、例えば、ある宗教の信
者たちは薬物「治療」すべきであると勧告したり、もし自分の家族のだれかが少
数派宗教の信者になったら、だれであろうと「ランボーのように」殺すだろうと
いう証言もしている。そしてアブグラルはラジオのインタビューにおいて、「自
分が宗教にかかわることについては権威ではない」と語っているが、フランス国
会議会や上記の裁判においても、少数派宗教の専門家となっている。
一九九六年における第一審では、サイエントロジー教会の会員のうち何人かが有
罪判決を宣告され、一九九七年後期にあった第二審では、リヨン・ミッションの
代表を除いて、被告全員が無条件で釈放された、または執行猶予を宣告された。
また、裁判官の言葉は「サイエントロジー教会は宗教を主張することができ、自
由に活動できる」ということだった。そのミッションの代表が無罪放免されな
かった事実は、この事件を最高裁判所に控訴するという結果を導いた。
最近、私立法律事務所がビック氏に関する周辺調査を行った。調査員は、警察が
隣人たちに質問をしていなかったことを発見した。しかしながら、隣人たちは、
調査員にビック氏が飛び降り自殺をしたとき、朝五時まで口論していたと報告し
た。ビック夫人は離婚し、子供を連れて出ていくと脅していた。ビック婦人は決
してこれについては警察に語らなかった。彼女の証言と衝突するものである。
ビック氏の医師であるパトシュ氏は、調査員に同氏が自殺(推定)する前に、何
度か来院したが、その時のビック氏は完全に正常な状態ではなかったと報告して
いる。これは六カ月前から続いており、ビック氏がサイエントロジー教会に来る
三カ月前からのことだった。パトシュ医師は、ビック氏が何らかの不可解な狂乱
状態にあり、話していることは、支離滅裂だったと語っている。ビック夫人は、
夫の自殺が起こった日、応接間の洋服タンスの中に様々な丸薬の入ったマッチ箱
を発見し、それがどこから来たのか全くわからないということだった。警察は、
ビック氏の検死の際、アルコールについては調べたが、薬物については調べな
かった。裁判中、ビック夫人は自分の夫の肉体に現れた作用について、唇の腫れ
上がり、足の痛み、頭痛や疲れがあったというように説明している。これらは薬
物と関係して起こる症状である。
ビック夫人は決して、警察に自分の夫が自殺した前夜にサイエントロジー・ミッ
ションの代表が連れて帰ってきたこと、自分の夫が売春婦と一緒に過ごした際に
クレジット・カードが盗まれたことを証言しなかった。
同氏の死後、一九八八年三月二十四日、ハザード刑事の報告によると、地面に
あったビック氏の遺体は緑色のスウェット・シャツ一枚だけ着用しており、パン
ツは着用していなかったという。警察は、ビック氏が飛び降りたとされるバルコ
ニーに、グレーのパジャマのパンツと双眼鏡があったのを発見した。警察は決し
て、ビック夫人になぜこれらの物品がバルコニーにあったのか、そしてビック氏
がなぜ下半身に何も身につけないで飛び降りたのか質問しなかった。
この事件がフランスの最高裁に控訴された結果、一九九九年六月二十日、裁判官
はリヨン控訴裁判の判決を支持し、サイエントロジー教会を宗教と見なすと判断
するとともに、サイエントロジストは、フランス憲法とヨーロッパ人権宣言の
下、政府から規制されることなく、全く自由に伝道活動を行うことができると宣
言した。
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┃2┃ミャオ
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星空に頭をつっこんで人生を費やす研究者もいれば、DNAに、はまりこむ人いる。
また、猫の性生活を気にかける学者もいる。そんなわけで、研究熱心なリオンの
生物学者たちは、ほぼ野生の状態で生息している猫の、「愛と性の苦悩」に興味
を持った。
科学的研究は、1995 年から1998年まで続けられた。みなさんは、猫の交尾のあら
ゆる習性について、たとえば、雄猫のポジションとか、どのようにして雌猫があ
なたの猫のリビドーに影響を与えるのかを、知りたくてうずうずしているのでは
ないでしょうか?すべて、明かしてさしあげましょう。
「都会の雄猫は、田舎の猫よりも、ずっと性的に早熟で、遊び好きである。」
と、フィガロ紙は、さも物知りげに報じている。研究者たちは、あるリヨンの病
院の中庭を交際場所にしている猫のうちで、観察できるものと、1平方キロメー
トルあたりに2000匹以上の猫が数えられた、ある地域で調査した。そこで分かっ
たことは、「都会の雄猫は、パートナーを増やしている。」(まったくいたずら
ものが!)
「それとは反対に、田舎の雄猫は、一匹の雌猫を選んでいる。しかし、一番の悩
みは、そばにいる強力な競争相手から、つまりひ弱ではない田舎の雄猫から、自
分の特権を守ることだ。いい考えはない。リオンの生物学者たちは、すでに別の
アヴァンチュールを求めて、ケルグラン島(南インド洋沖のフランスの島)へ
行ってしまった。
今後は、そこで「顔のきく」種類の猫の、行動の研究を続ける。では、首を長く
して、雄猫の豪勇の調査報告が届くのを待つとしましょう。
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┃3┃INDOCHINE
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アルバム「ダンスタリア」が先頃発売され、インドシナのファンを喜ばせてい
る。その彼らは、二十年前のデビュー当時と同様に、大部分が二十歳以下だ。初
期の「L’Aventurier 冒険者」の世代、「Troisieme sexe 第三の性」の熱狂に続
いて、今グループのアルバムを購入し、コンサートに足を向けるのは第三の若者
の世代ということとなる。先の六月にパリのオランピア劇場で行われたこのコン
サートは、数カ月前に急性肝炎でこの世を去ったステファン・シルキスの追悼の
ためにインドシナが行ったものである。「今僕にとって起こりえる一番のこと
は、と弟のニコラ・シルキスは打ち明けている、若者たちの興味をバンドが引い
ているのを目にすることなんだ。思春期を僕が通過したときに、あまりにも関係
をしすぎてしまったので、僕はそのままそこに残っているのかもしれない。」
年頭に出た作品集(『悪報』J, -C. Lattes 社)ではあまり目に付かない仕方
で、「ダンスタリア」でははっきりとした形で、ニコラ・シルキスの文章は、人
に打ち明けることができない誘惑、謎めいた魔法に支配されている時代へと浸っ
ている。しかしあたかもインドシナの音楽にとっては完全に暗やみの中に固定し
てしまうのが不可能であるかのように、すべての言葉が踊り、震え、跳ねまわっ
ている。もともとのニュー・ウェーブから継承してきた縦ノリと時代をかなり意
識したトリップ・ホップへの誘惑の間で、インドシナがずっと以前から秘訣を
知っていたあの大がかりであると同時に控えめな成功をまたひとつ手にするだけ
の価値が「ダンスタリア」にはある。
RFI:「ダンステリア」をどう思われますか?
ニコラ・シルキス:
簡単なことではなかったけど、今では誇らしく思っているよ。僕がいちばん嫌っ
ていて、またいちばん好きなアルバムでもある。もっともネガティヴな出来事を
通して、このアルバムはこれまでで一番の時間と配慮を必要としたんだ。過去に
あったこととの関連で言えば(原註:兄弟のステファン・シルキスの死)、僕に
とっては最悪だった。つまり、幸せな気分の中で作られたアルバムもあるけど、
それらが一番誇らしく思えるようなものというわけではないんだ。
曲作りは、ステファン、ジャン=ピエール・ピロ、と僕で六ヶ月から八ヶ月かけ
た。ハードルを高くしたんだ。好きなだけ録音はしてみたけど、二つの音でしか
なくても、最初に聞いたときから頭に残るような誰も抵抗できないようなメロ
ディーを必要としていたんだ。次の段階では、僕たちのファンの若者の手を通し
て、曲に擬音を入れたり、ちょっと変わった雰囲気や音をつけたりしたんだ。そ
れから歌詞の録音と制作が来る。これはいつもぎりぎりまでかかるんだ。タイト
ルがずっっと頭の中にあったとしても、歌詞を生み出すのは今日であって欲しい
から。
RFI:歌詞は今回は簡単に来ましたか?
いろんなニュースのおかげで、ずいぶん苦労したよ。形式的には完全に自由な世
界にいて、歌メロ-ブレイク-リフという形式に戻ることは、簡単じゃないん
だ。あまりにも歌詞を書くのに苦労したおかげで、終わっていることにも気づか
なかったほどだよ。
RFI:あの悲劇を考えると、歌詞のほとんどには驚かされます。
ニコラ・シルキス:
歌詞の大半はステファンの死の前に書かれたものなんだ。でも今になってこの歌
詞が示している意味はほんとうに奇妙な感じがする。三週間後に、「アトミッ
ク・スカイ」や「ダンスタリア」を録音した時に、あの歌詞を目にするのは最悪
だった。完全にその時の状況と一致していたから。動揺させられたよ。
RFI:11月にはツアーに出られますが、自信のほどは?
ニコラ・シルキス:
ああ、夏のコンサートで、ニュー・アルバムから四曲やって、反応はよかったか
らね。思い上がったことは言いたくないんだけど、ステージでは、いつもやる前
から勝利が決まっているようなもんだね、コンサートは、ファンのおかげで成功
するんだ。彼らは僕らよりも大人数で、すべてを仕切るのさ。で、もちろん、僕
たちも、へまをするわけにはいかない。失望させるわけにはいかないからね。
少し違うのは、無料のコンサートだね。たとえば、グルノーブルでのFete de la
musique の時には、17000人集まった中で、インドシナを知っているのが2000人
だったんだ。成功したと言えるのは、彼らはどっかに行かないで、楽しんでいた
からさ。結局のところ、今まで一度も最悪な目になったことはないんだ。最初の
頃、デペッシュ・モードの前座をしていたとき、彼らよりも僕らの方がウケたこ
ともあったぐらいさ。
RFI:でインドシナで二十年を過ごした後で、まだ続ける気はありますか?
ドミニク・ニコラ(原註:インドシナのオリジナルのギターリスト兼作曲家)が
いなくなった後と、ステファンが死んだ後で、続ける価値があるのか考えてみ
た。でもバンドを作っているメンバーよりも、インドシナという名前の輝きの方
が重要なんだ。
RFI:デビューしてから何を失いましたか?
ニコラ・シルキス:
おそらくはバンドを作ったときの無知というものを失ったのかもしれない。僕た
ちは、パリの南の郊外の友達の集まりだったんだ。バンドを組むことを決めて、
勉強はうっちゃったんだ。ドミニクはギターを弾いて、僕にこう言ったんだ。
「おまえは何もできないから、歌詞を書いて、歌え」とね。一ヶ月半後には、最
初のコンサートをしたんだ。完全に無知だったよね。幸運にもなくすことができ
たけど、最悪だったかもしれないんだから。で今が、僕たちが一番いい曲を書い
ているような気がする。環境というか、現実的ではない何かの方へ向かい、人を
どこかに連れてゆきたいと願っていたんだ。これは成功した。でこのCDを聞く人
たちがそれぞれ頭の中に必ず何かをキープするだろうことは確かだよ。
聞き手:ベルトラン・ディカール-RFI
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┃4┃Patricia KAAS
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パトリシア・カース
パトリシア・カースのスタジオ録音されたものとしては5枚目になるアルバム
“Le Mot de passe (合言葉)”が、前作“Dans ma chair” から2年あまりをへ
て5月18日にフランス及び世界各国約40ヶ国で同時に発売された。
アルバムに収録された12曲のうち半分以上はヒット間違いなしだろう。
“J’attends de nous”の詞を書いた歌手ザジなど複数の作詞家とのコラボレー
ションによって、2曲(“Une fille de l’Est”と“Les chansons
commencent”)をジャンージャック・ゴールドマン、10曲をパスカル・オビス
ポが作曲している。
パトリシア・カースの新作アルバムをアレンジ、プロデュースしたのはパスカ
ル・オビスポだが、パトリシア・カース(32歳)はそのエモーションや女性的
なアプローチを世に知らしめることに成功している。
弦楽器のセクションが電子的なリズム、ピアノやアコースティックギターの美し
いクラシック音楽、アレンジの全体的な明快さ、これまでのオビスポの作品には
決して見られなかったゆったりした雰囲気と出会い、パトリシア・カースのアル
バムは多様性という点で間違いなく1999年の大多数のフランス人の好みを最
もよく反映した作品の一つであろう。
インタビュー
RFI:
なぜ今回のアルバムの大部分をパスカル・オビスポに依頼したのですか?
パトリシア・カース:
いつものようにしただけです:わたしは美しい曲が欲しくて、レコーディングの
1年前に異なる作曲家や作詞家に依頼しました。パスカルは3曲か4曲はくれる
だろうと思ってました。で、彼が何曲か出してきて、わたしが1曲を断ったらま
た別の曲をひとつ送ってくるという具合で、結局彼は40曲くらい書いたので
す。それからわたしに与えられたすべての曲の中から選んだら、パスカルの曲が
10曲入っていたというわけです。それでアルバムのプロデュースも彼がするこ
とになり、とくに不都合もなかったのでジャンージャック・ゴールドマンが提供
してくれた曲2曲も含むことになりました。
RFI:
フランスでのアルバムの発売日が外国でも同時に発売されるように延期されまし
たが、あなたはフランス以外の国の観客に大きな関心を持っているのですか?
パトリシア・カース:
外国の皆さんのためにツアーをしてるんですもの!同時に、世界の40ヶ国で発
売されるのが誇らしくもあります。過去に出した2枚のアルバムの発売日は4月
でしたし、今回は日にちを変えたかったですね。それに5月はママが亡くなった
月なので、良いことがあるのではないかと思いました。
RFI:
外国では、フランス国内と同じイメージを持たれていると思いますか?
パトリシア・カース:
フランスではわたしは他にもいるフランス人アーチストのひとりですが、他の国
ではしばしば、名を知られている唯一のフランス人アーチストです。アズナヴー
ルやブレル、ピアフの世代は別として、同時代のアーチストとしては外国の人々
はあまり他のアーチストを知らないのです。彼らにとってフランスはもっと豪華
で、エレガンスやロマンティズムを表すものなのです。
アルバム“Le mot de passe”(COL 494559 2)についてはwww.rfimusic.comを参照。
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■ Masahiro NAKATSUGAWA ■
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