juin 27, 2008

フランスの公共放送

サルコジ大統領就任後、フランスの公共放送のあり方が大きく変わろうとしている。始めはやっと放送を開始したばかりのフランス版CNNといえるフランス24や既存の外国向けフランスの放送局との統合。これは確かにそれぞれ局のカラーがあるといえ、同じような目的で役割が果たせないからと言って、放送局をいくつも作るのは財政が厳しい中難しいだろう。

そして、先日よりお伝えしているフランスの公共放送でのCM廃止だ。フランスの公共放送ではCMが流されており、受信料収入(受信機利用税)以外にも、コマーシャル収入は8億ユーロ程で全体の収入の割合もかなり大きい。この財源はどうするかというと、電話、通信、インターネット、広告収入の増える見込みの民放へ課税強化し、この穴埋めを行う。

このため、該当の放送局などはデモを行い、ニュースなんかはいかにも「デモ中です」という感じの簡易的なセットで薄暗い感じもする。セットぐらいはいつも通りでも良いんじゃないかと思うが、スタイリストはいるのか、別に髪の毛が乱れていたり、服装が乱れていたりはないようだ。

やはり、財源が握られると、放送内容に対しても握られていくと感じるのは考えすぎではないと思うが、更に国家の統制が行われる案が発表された。

1945に設立されたラジオ放送局RDF(Radiodiffusion Francaise)を1949年2月9日にRTF(Radiodiffusion - Television Francaise)に改編し、テレビ放送始まった。1963年6月26日にORTF(Office de Radiodiffusion Television Francaise)に政府の管理から、より影響を減らすために改編された。

RTFは国有で政府管理下(情報省管轄、予算は情報省と財務省の管理下)にあり、1963年アラン・ペルフィット情報相はRTFを「テレビ、それは全てのフランス人の食卓の中にある政府(La tetevision, c'est le gouvermement dans la salle a manger de chaque Francais.)」と言って、新しい放送局がより政府の干渉を受けない事を語っている。

ORTFの会長と局長の任命権は閣議で任命されていたが、さらに1982年に左派により責任者の任命権を現在のCSA(視聴覚最高評議会,Conseil superieur de l'audiovisuel)に繋がる規制・監督機関に移された。

CSAが特に知られているのは、外国語放送(主にアメリカ)を排除しフランス文化を守る目的でフランス語作品の放送時間を一定以上に定める規制を行っていることだろう。常に放送内容をチェックしており、アンテンヌフランスの初期の頃にお伝えしたが、この罰金があまりに高額なため、潰れてしまった局もある。

フランスの放送局は政府からの直接の影響を受けない様に変化していたが、今回のサルコジ大統領の発表では、CSAが持っているフランス・テレビジョン*の会長の任命権は議会の過半数の了承が必要なものの、大統領府が持ち1960年代に戻ると思われる内容だ。

フィヨン首相は「現在のフランス・テレビジョンの会長の任命制度は偽善的で、決して自主独立なものではない」と語っているが、公共放送の責任者が大統領が任命する事は他のヨーロッパ先進国ではあり得ないことで、公共放送の従属に繋がるとフランスのメディアは批判している。

*)ORTFは、1974年8月8日TF1やAntenne2などそれぞれの放送局に分割され、独立した放送局となっていたが、1987年の民営化後、公共放送のAntenne2などは経営難に陥り、1992年9月7日に公共テレビ局の再編が行われフランス・テレビジョンが発足した。

投稿者 paris : 01:20 AM

mars 05, 2008

次世代高速列車AGV

フランスの輸送機器大手のアルストム(Alstom)はTGV(Train a Grande Vitesse) に置き換わる次世代高速列車AGVを発表した。AGVはAutomotrice Grande Vites seのイニシャルだ。名前は少ししか変わらないが、動力方式がいわゆる日本の 新幹線方式を採用している。

この違いは何かというと、TGVでは動力源が列車の先頭と末尾にあり、機関車 が列車全体を引っ張るという方式。利点は機関車以外の車体は安く製造できる。 また、モーター無い客席は動作音が聞こえないのでより静かになる。

新幹線方式は全車体にモーターを設置しているが、この利点は加速が速いこと。 加速が速いために最高速度になるまでの時間が短く、到着までの時間を短縮す ることが出来る。日本のようなカーブの多い地形などで、減速を余儀なくさせ られたり、停車駅が多い場合は、この様なシステムが有利と言われている。

AGVは、以前よりより速く、軽く、エネルギー効率が高く、98%がリサイクル可 能と環境にも配慮した設計で、客室はよりゆったりしているという。TGVの営 業最高速度320Km/hを40km/h更新し360kn/hとなる予定だ。既にイタリアに受注 されフランスでは2014年ごろ登場とのこと。

いくらフランスが好きでも日本の新幹線が負けるのは悔しいが、フランスは在 来線でも200km/h以上を出し鉄道に関しては最先端を行っていたらしい。日本 の場合、東海道新幹線など1960代の設備だし単なる高速化は厳しいかもしれな いが、山の手線並みの過密ダイヤの運行などスピード以上の能力など特筆すべ き点が多い。フランスはTGV方式の優位性を主張して外国の新幹線新設の契約 を獲っていったが、結局日本の方式を取り入れることになった。

投稿者 paris : 09:46 AM

janvier 30, 2008

フランス、世界第3位のスーパーコンピューター導入

「アメリカ崩壊」なんて大きく書いてある雑誌を電車の中で見かけたが、何とも魅力的な見出しだ。しかし世界経済は各国深く結びついているのみならず、未だにアメリカの影響力は大きい。コンピューターに至っては、基幹部分のCPUからソフトの部分まで大半がアメリカ製だ。

フランス大使館によると、軍事目的を除く世界で第3位となるスーパーコンピューターを導入することを発表した。このリリースに写っている写真は、明らかにSX-8というNECのスーパーコンピューターであり、日本のスーパーコンピューターが採用されたのかと思ったが、文章ではIBMのBlue Gene採用されるらしい。

残念ながらヨーロッパはスーパーコンピューター自体の開発は手を引いていて、アプリケーションなどの開発などに注力している。ハードウェアでは、アメリカと日本の二極となり、2002年に600億円かけて当時圧倒的世界最高速の地球シミュレータ(NECのSX-5がベース)を開発したが、これが逆に眠れる獅子を起こしてしまったかのように更新を進め、現在では上位500台の半数はアメリカの物であり、大半がアメリカのベンダーによる物である。現在の世界最速のスーパーコンピューターはBlue Geneを採用した物であり、地球シミュレータの約10倍の能力がある。すでに地球シミュレータはトップ10にもランクしていない。

スーパーコンピューターは主に軍事利用される物として、共産圏の輸出なども規制されていて、当時高性能なゲーム機であるPlayStation2なんかも規制対象に上がった事がある。しかし現在は一般的なPCに使われるCPUを大量に利用して高性能を得ている物が主流となっている様である。

前出の地球シミュレーターは開発に600億円かかり、電気代だけで年間5億円、全体の維持に年50億円もかかると言うが、この様なシステムはよりコンパクトでより導入費用が安く維持費も安くなると言う。

スーパーコンピューターの利用も学術・軍事のみだけではなく産業界でも進んでいる。とくに自動車・航空産業などの設計などで利用されており、アメリカ、日本、ドイツが突出している。

自動車メーカーでは設計によるシミュレーションなどが行われたりしているが、部品メーカーなども導入されている。面白い例では、台湾の光るメダカの遺伝子改造の際もスーパーコンピューターで検証されて行われている。

この様にスーパーコンピューターが国の繁栄を大きく左右するとも言えるが、フランスはオルセーのコンピューター開発・資源研究所(IDRIS)に設置されるこの新しいスーパーコンピューターは所属にかかわらず利用でき、将来的にはヨーロッパのDEISA計画(Distributed European Infrastructure for Supercomputing Applications)に接続され、ヨーロッパ内の11のスーパーコンピューターと連携させさらなる高速化を狙うとのことだ。

投稿者 paris : 02:49 PM

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